総合的な取組「I's J!」
城西中学「IT’S J!」
2002年から始まる「総合的な学習の時間」(※中高一貫教育を行っている本校では高校の実施時期にあわせ中学でも2003年より実施いたします)のパイロットケースとして、本校では中学2年生全クラスにおいて「IT’S J!」を実施しています。
 一番下に生徒の作品があります。
「IT’S J!」とは
中高6年の一貫教育を行っている城西学園では、高等学校卒業後の進路を自ら希望を持って選び抜いていける生徒の育成を目指しています。
特に中学では高等学校への受験がない代わりに、のびのびと自己について考えたり、他者との協力や思いやりの心を育て、自律した人間の育成を目指しています。城西中学「IT’S J!」は将来的にアイデンティティの確立を目指し、
【自己理解と他者理解、その上に成り立つコラボレーションの面白さ】を体験的に学習する時間です。
1学期行ったこと
海外の交流校に向けて英語で自己紹介ビデオの作成自分に関する取扱説明書の作成と発表慶応湘南藤沢高等部金杉朋子先生による出張授業「映像で自己表現しよう」血液型ってなぁに。〜1:他者を分析しよう 2:他人が知っていて自分が知らない自分の姿をみてみよう〜
夏休みの宿題
小学校入学から現在までの自分史「希望の轍」を作ろう
2学期の予定
意思決定ゲーム「海に持っていくもの」
アイデンティティ映像国際交流コンテスト「I3」参加作品を作ろう
ライフスキルプログラムを体験しよう
10月13日(土)に行われる「I3」交流フェスティバルに参加しよう
「IT’S J!」のコンセプト
  〜2001年2月の企画書より〜
1. はじめに
 2002年から実施される新学習指導要領では新たに「総合的な学習の時間」(以下「総合」)が必修科目として導入されます。新課程に向けて本校での取り組み状況は、単位数の調整の外枠を決める段階で止まり、残念ながら内容を議論する段階には至っていません。このままだと、新課程の中身は現在ある旧課程のラベルを変えるに過ぎないというおそれが出てきます。特に「総合」は今までに存在しなかった新しい教科であり、各校の個性を十分に打ち出せるという特質をもっています。これからは「総合」の教育内容が充実しているかどうかで学校の価値を判断されることになるでしょう。私学危機の今、本校では21世紀の魅力的な教育内容を模索するため、研究を行う必要性が迫っています。
 一方、昨今は子ども達が「生きにくい」といわれる時代です。そんな時代に流され、とかく自分本位になりがちな世の中だといわれています。これらの面から考えても、自己を見つめ認識するアイデンティティを教育現場でとりあげることは今後一層その必要性を増すと思われます。
 今回の企画は「総合」の可能性を探り、新しい教育課程を模索する試みの一環です。この企画を足がかりに、生徒がアイデンティティを考えるきっかけとなるように、と私たちは考えました。今回、本校独自の「総合」の教育課程を作成するために、少しでも力になればと一つパイロットケースを考えました。これを2001年度にパイロットケースとして導入し、反応と成果を丁寧に検証することで、2003年新課程導入にむけての手がかりになればと思います。
2.アイデンティティとは
 アイデンティティを教育現場で扱う必要性は定義:アイデンティティ… 自我同一性・自己同一性 (心理学者エリクソンによる)
〔アイデンティティを教育現場で扱う必要性について〕@アイデンティティを問われる場面が増えている。
* 国際化によって多様な価値観の人と接する機会が増えてきている(Ex.帰国子女、インターネットの普及、海外旅行の一般化など)
* 社会が画一的な知識の量ではなく、個人の価値観や創造性などを求めるようになった(Ex.年功序列型賃金から能力給の導入へ。)
@アイデンティティを問える場が少なくなってきている。(Ex.核家族化、少子化で兄弟やいとこ同士など近い世代の交流が少ない。地域のつながりが希薄になり、子ども会などの学校外の活動も不活発になっている。)
3.城西の生徒にアイデンティティを問う機会が必要とされる理由
<本校での現状>
子どもに「考えさせる」機会が少ない。
授業:一斉教授・知識注入型の授業が比較的多く、ディスカッションや発表の機会がまだまだ少ない
生活:生徒が主体的に動く機会が増えたが、まだまだ少ない。機会はあっても、自治活動に熱心ではない。委員会や行事の運営など、自治活動についても、主体的な動き方が出来ていない子ども達。<アイデンティティを喪失したままの教育を続けると・・・>
予想されること。
1. 自分の将来を考えない。(生き方や進路を定められない子どもをつくる)
2. 自己中心的な考え方しかできない子どもが増える。(思いやりを忘れ人の痛みを考えられなくなる)
3. 易きに流れてしまう
4. 社会に適応できない子どもとなる
このようなおそれがある。

この実態を打破するために城西にアイデンティティを問う機会を設けることは必須である
では、具体的にどのように生徒たちにアイデンティティを問うのか?
⇒自分(自分たち)のことを表現する。←相手に自分のことを理解してもらうためには自分を見つめなおす必要がある。映像を利用する今回の企画(※)は、本校の国際交流および総合的な学習の時間のテストケースとして、またアイデンティティを問う機会として有用である。(次ページのとおり)
?@ 他者に自分を表現する(手段として作品を作る)ことで、客観的に自己を見つめなおす
?A 世界の様々な地域にすむ10代の子ども達と交流(※)することで、自分のアイデンティティを広い視野からとらえなおせる。
?B 映像を使うこと(※)で、自他共に「動く」「目に見える」存在として分かりやすい形で表現ができる。
?C 他者に自分を認めてもらうことで、自己受容し、他とのつながりの中で生きる形を見出す
※ 映像を使うこと国際交流に関しては、学習環境研究会第2分科会主催フェスティバル参加も視野に入れて
総合学習に向けたアイデンティティ教育の提案(※)
1.ねらい 自己肯定感の醸成
 自己理解他者理解のための班単位による映像作り
2.テーマ
 自分を見つめるきっかけとなるようなものに設定
3.場
 生徒へ動機付けとしての複数の学校による合同ワークショップ
4.映像製作ワークショップによる効果
 班学習の側面
 主体的な学習
 共同作業やディスカッション
 リーダーシップ
 映像作成の過程での側面
 シナリオの作成・表現力・想像力・コンピューター等の技術(デジタルスキル)
 アイデンティティ学習の側面
 自分についてじっくり考える時間を持つ
 他者の価値観から自分を省みる
 (※アイデンティティ教育分科会責任者 金杉朋子(SFC中高講師))対象学年 中2対象教科 総合的な学習の時間はまだ確保できない。よって、国語をメインに、全教科・LHRにおいて積極的に取り組めることが望ましい。※ なぜ国語科でアイデンティティを扱うのか本来は「総合」の場で扱われる領域であるが、今回は新課程施行前の「総合」のテストケースであり、既存の教科のどこかに位置付けなくてはならない。
今回は主に日本語という言葉を通して自己を見つめさせ、言葉を使って自らを問い、言葉を使って仲間とコミュニケーションを図り、最終的には映像という形で表現を試みる取り組みである。
本取り組みは国語の教科の「表現」の分野として位置付けることができよう。
現在中1では「表現」の分野としてほぼ毎時間15分程度のスピーチを行っている。週あたりではちょうど1時間程度となり、「表現」の分野としては現在と同じ時間配分で取り組む事が可能である。配当時間 週2時間(国語1時間は確保 他教科1時間各仕掛け※1.2時間配当で)
     1学期:第1段階「アイデンティティを揺さぶる」
     2学期:第2段階「アイデンティティを表現する」
     2〜3学期:第3段階「アイデンティティを再考する」
※ 各教科でアイデンティティを問うという観点から、授業を考える。
具体的に映像作りをするのではなく、その下地としてさまざまな教科からアプローチする。スタッフ 学校内外から広くスタッフを募集する。【教員自身もアイデンティティや新課程「総合的な学習の時間」について学ぶ(考える)いいチャンス]
教員自身も共に学ぶアイデンティティ 〜教員として、人として〜
関連書籍を読む 他校の実践を調べる 校外の勉強会に参加する 校内で勉強会を企画する この企画を記録する…<映像作成まで>〜4月から中間試験後まで 「think」の下地作り自分とは何か、自分のルーツは何か、アイデンティティを考えさせるような仕掛けをさまざまな側面からアプローチしていく。
各教科から予想される取り組みの例:(以下はあくまで例。今後スタッフとのミーティングにより方向性およびカリキュラムを決めていく)
?@ 美術と技術の合科
?A理科 ヒトである人。遺伝子治療やクローン、臓器移植の側面から自己について考えてみよう。≪現在実施または計画されている下地≫(2001.04.25現在)○ 南フランストゥールーズにあるリセ(高等学校)とのビデオによる交流。自己紹介ビデオを見せ、日本から送る自己紹介ビデオ(英語)を作成しよう(各クラスで進行中)
○ 自分に関する取扱説明書を作成し、クラスで展示会を行おう(1クラスで終了)
○ 慶応SFCの先生を招き、ビデオの撮り方や編集の効果を学ぼう(5/11実施予定)
○ 慶応SFC高校の生徒と、ビデオ交流をしよう(5/11以降随時実施)<映像作成>〜中間試験終了後から2学期中間まで  事前議論
@班分け 血液型によるグループ(10人以上になる場合は2班に分ける)
Aテーマ精選 フェスティバルテーマ:私の伝えたいこと
Bシナリオ・絵コンテ作成(必要に応じて)
C撮影
D編集
 3月31日(日)に国際大学で行われた「アイキューブ国際ショートフィルムフェスティバル2002」に出展した10作品の紹介です。
 Real player でご覧になれます。
帰り道 3組松本・小野澤・武苅・半藤
小黒の甲子園 2組B型石村・酒井
I need to be in love 2組A型田中・森山
O型殺人事件 1組O型楠・奈良・松見
スクールデイズ 4組A型濱・下川・川島・鈴木・青木・遠藤
あなたに・・・ 4組B型水村・大貫・山本
優しいあきなちゃん 2組O型
青春物語 2組AB型
ヒロちゃんの写真集 4組A型若林・植松
追いかけられて追いかけて 1組沖・角田